ウーマン vol.22 KOCHI
グループ訪問 ●中村くらしを見直す会
「まともにきちんと暮らしたたい」
病める地球を救うため、地球に優しい暮らし方が求められている。熱帯林破壊や地球温暖化、オゾン層破壊などの環境用語が人々の口にのぼらない日はないほどに、いまわたしたちは環境保全浸けになっているようだ。
にもかかわらず、ゴミはふえる一方、川の水は汚れる一方で環境保全は進まない。そんなわたしたちに求められるのは、暮らしを根本から見直すことではないだろうか。
「中村くらしを見直す会」の代表世話人を務める川村祐子さんは「ファッションや流行ではなく、まともにきちんと暮らしたい。これが私たちの会のコンセプト」だと語る。この会が発足して丸10年が過ぎた。当時、「中村こども劇場」にかかわっていた母親数人が「このごろ食べ物が何かおかしいネ。なぜだろう」と素朴な疑問を出しあったのが会を結成するきっかけになったそうだ。
おかしくなった食べ物を見直すために農薬のかかっていない野菜を探し、無添加食品の供給を受けている別の会を見つけるなど、「安全な食品を自分たちで手に入れる」ことから始めた。生産者が無農薬栽培を続けられるように安定した需要を確保することが必要になる。
大気や土や川や海を汚す原因となる生活用品は使わないようにし、「自然と共生できる」ものの使用を広める。安心して食べられる食品を見つけだして共同購入する。これらが「中村くらしを見直す会」のおもな活動内容になっている。
とはいえ、川村さんいわく「ちかごろは主婦でもお勤めをしていない人を見つけるのは難しいくらいみんな仕事をもって忙しいから、この会に賛同はしてもいざ実践となると仲間の輪が広がりにくい面もある」。
それでも発足当時20人ほどだった会員は、現在では100人ほどが安定して加入している。
「くらしを見直す」ためには、洗濯でも合成洗剤は使わないし、食品の容器は再生できないプラスチック類はできるだけ選ばないように気をつけている。
一方で、ゴミについて知るための学習会を開き処分場を見学し、近自然工法のスライド学習会などに積極的に取りくんでいる。
こうした会が長く続いているのは、暮らしを見直すためのまじめな学習ばかりでなく、子どもや家族のこと、学校のことや趣味のことなど、何でも好き勝手に話し合える場があるからだ。
1995年7月15日掲載