日の出の名所の田浦の観音さん
飯積山 (いづみやま)
標高217m、山容が飯を盛った形に似ることから「飯積山」と呼ばれ、八合目の駐車場は日の出の名所としても知られる。
山頂にある蓬莱山飯積寺は地元の菩提寺として、「田野浦の観音さん」と古くから親しまれている。
本尊は十一面観音で、四万十市坂本の香山寺と「観音さん」の名前を取り合って激しい喧嘩をしたという昔話が残っている。
山頂まで車で登ることもできるが、古くからの参道が登山道として整備されているので一度歩いてみることをお勧めする。
[所在地]
黒潮町田野浦
東経132°59′26″ 北緯33°00′03″
幡多とその近隣地域には地元の人しか知らない隠れた名所が数多く存在します。
そんな隠れた名所、略して「隠名」を取材班の独断と偏見も交えてご紹介します。
(地元の方の迷惑にならないよう、また安全には十分留意してください。)
城乃峰隧道 (じょうのみねずいどう)
道の駅「めじかの里土佐清水」のすぐ近くにある、昭和10年3月に竣工した素掘りのトンネル。
東西の坑口はコンクリートで補強され、内部もコンクリートを吹き付けてあるが、今もゴツゴツした素掘りの岩肌がうかがえる。
現在も地域の生活道として、なくてはならないトンネルとして利用されている。
「城乃峰」の名の由来は、かつてこのトンネルのある山の上に城があったと伝えられていることから。
土佐清水市公式ホームページの「写真でつづる土佐清水市」に掘削当時の写真が掲載されている。
〔所在地〕
高知県幡多郡土佐清水市三崎
東経132°52′48″ 北緯32°47′40″
「新玉神社」の樅(あらたまじんじゃのもみ)
壇ノ浦の戦いで敗れた平家一門・新玉丹後兄弟三人がこの地に流れ住み着き
津賀の集落を魔神から守ったと伝えられている。
その三人を祀ったのが新玉神社であり
今もこの樅の木には、丹後の根性が生きていると伝えられている。
新玉神社の境内にあり、部落共同で崇拝している。
昭和63年度に実施された環境庁の巨木調査において
モミノキの部で全国第1位(幹回り:7.8m)に指定された。
(現地案内板より)
①樹齢 300年(推定)
②胸高直径 250㎝(推定)
③樹高 27.0m(推定)
〔所在地〕
高知県幡多郡四万十市西土佐津賀
東経132°45′60″ 北緯33°08′05″
※2013年8月27日(火)にもみの木は寿命の為、倒木してもうありません。
不動の滝(ふどうのたき)
幡多郡大月町の国道321号線から、沢に沿って脇道にそれること数キロ。
高さ3メートル前後と、それほど大きな滝ではないが、山間の静寂な場所にひっそり
とあることもありその滝音は荘厳な響きも感じさせる。
小さいながらも豊かな水を湛える滝壺には、数多くの小魚が遊泳し、豊かな自然を
伺うことができる。
古来より近隣の地神としての信仰を集め、弘法大師の四国八十八ヶ所建立の際、
修行場として祀られたという言い伝えもある。
地域の人々の浄財から「瀧不動明王」として祠が祭られている。
その祠の中には、本尊として「空海像」も置かれているが、ある方の言によれば
「本尊は不動の滝そのもの」であるとのこと。
現代人が忘れかけているものが、ここにはあるのかもしれない。
〔所在地〕
高知県幡多郡大月町清王
東緯132°43′29″ 北経32°48′50″
御霊神社(ごりょうじんじゃ)
県道346号中村下ノ加江線を登ると、三原村に入ってすぐに道路脇に案内板が見える。
案内板のすぐ近くにある山道を徒歩で数分登ると到着する。
(現地案内板より)
『祭神は一條公の重臣敷地塩塚の城主、敷地民部守の姫君椿姫である。
時は天文年間(1540年頃)中村で起きた戦乱を避け、三原の一族、敷地官兵衛の許へ逃れる
途中、この峠まで辿りついたとき、塩塚城と父民部の最後を知り、最早これまでと、峠の
いちい樫の根元で従者と共に悲運の涙を呑んで自害して果てたという。
姿麗しく琴の名手であった姫のために、里人たちは祠を建て紅・白粉などを供えて今に、
その霊を祀っている。また祠の下に卍の刻まれた礎石らしいものが残っている。』
三原村福萬寺には椿姫像が祀られているが、こちらは一條房家公の息女であるとされ
また別の『椿姫伝説』である。
[所在地]
高知県幡多郡三原村狼内
東経132°53′40″ 北緯32°56′38″
三原村福萬寺の椿姫像