そろそろ 日曜市などに『ぶしゅかん』が出回りだした。
この辺の農家の庭先にゃ みんな植えちょる。
ひぃじいちゃんの頃より、
ず~と 消毒もせんと、天然そのまんまで、成りつづけよる。
柑橘の原種のような 酢みかん。
ゆず、すだちなどより酸味がまろやかで、
この辺じゃ『酢の王様』と言われちょる。
とにかく、寿司飯から、魚、サラダ、冷やっこなど々、
なんにでもかける。
皮の香りが特徴で、しかも種まで食べれる 不思議な酢みかん。
これがまた、なんとも 得も知れぬ香りで、こじゃんとえい。
特に、高知の初夏を飾る魚、メジカにゃ欠かせない薬味。
「メジカにぶしゅかん」は合言葉となっちょる。
手の指の形をした鑑賞用の「仏手柑」とは別種で、
なぜこの四万十地域で『ぶしゅかん』と言われだしたかは、
定かでないみたい、、、。
この時期、ぎょうさん出回るけんど、
ここら辺の 人たちは、
「こんな うまいもん 人様に 食わせられるもんか、、、」と、
自分らぁで 食べしまいよる。
なんとも、嬉しいようで 悲しいような話。
けんど、最近 やっと商品化された。
『四万十 百年ぶしゅかん』と銘打って、
できた ポン酢やドレッシング。
四万十の地域に根ざした食文化のひとつを、
お試しくだされ。
ご先祖さまより 代々受け継がれてきた
自然にさからわない 人の営み。
『食』にしても『風景』にしても、
まだまだ そんなもんが 残っちょる 四万十地方。
旦那さんの仕事の関係で、半年前よりここに住みだしたミキさん。
ミキさん・・「それよ!それをもっと大事にせんといかんぜ!」
なんでも、仕事の関係で 全国あちこち行ったけんど、
ここは、山・川・海と三拍子揃っていて、
『ほっ・・・』とするらしい。
ミキさん・・「特に 人がえい! 顔が汚れてない!」
あたし・・・「へっ、、顔がですか、、、」
ミキさん・・「そうよ、都会のYシャツ着た 人の顔を見て。
格好は えいけど みんな汚れてますよ。
それに比べて ここら辺の方、
特に お百姓さんたちは、
土まみれになっても 顔が汚れていませんよ!」
と、ざまに熱っぽく 語っていただいた。
言われてみると そうかも知れん。
NHKが『最後の清流 四万十川』と全国放映されて まだ30年弱。
観光いうたち まだまだ歴史は浅い。
この辺の人にとっては
「なんでこの川が・・・?」と、思いつつも、
あれよ あれよと観光客が来だした。
まともな おもてなしはできんかも しれんけんど、
「まぁ~ こんな遠くまで よう来てくれたねぇ~」と、迎えてくれる。
四万十川いうたち、俗にいう 名所・名跡は なんちゃないけんど、
『行った先が リゾートになる」
そんな川があっても えいろう、、、。
この夏の『四万十まるごと・はたも~ら』のポスター。
我ながら こじゃんと気にいっちょる。
wasuke
中村(四万十市)の夏の風物詩『提灯台まつり』。
毎年、10チームくらいが 街を練り歩く。
~♪幡多の 中村 一条公さんを
しのぶ 今宵の 提灯台
♪~姉モセ 妹モセ
ササーナンデモセー よいやせいの せぃ~♪
かなり艶っぽいが、なんでも 夜這の唄らしい。
あたしも 20年ばぁ 前までは 気負~て
担ぎよったけんど 今は 見て楽しみよる。
けんど 祭りは 見るより 担ぐほうが楽しい。
若い衆が、ぼれて 担ぎよるうちに、
~♪姉もセ 妹もセ~ なんて 唄いよったら
ついつい その気になってくるから 不思議なもんよ、、、。
今じゃ考えられんけんど、
かつては、当り前のように行われていた 男と女の秘めごと。
その昔、蛙ゲコゲコ 夏の雨上がりの 亥の刻、、、
四万十五郎・・「真っ暗じゃけんど、確かこの部屋じゃったが、、、」
なかむら花子・・「今夜あたり、五郎が来るはずじゃけんど、、、あぁ、、」
な~んて、双方が 心ときめかせちょったに 違いない。
『御用!御用! 住居不法侵入罪および婦女暴行罪で逮捕!』なんて、
ざっとしたことは 言われざった。
「われ、そんげなこと 言うたち、、、」と笑い話ですむ、
そんな ゆるやかなニッポンがあったのも確か。
ってなこと考えよったら、下田の太鼓台がやってきた。
時代は変っても 若い衆は昔も今も変らない。
つまり、時代は刻々と変化して、
確かに便利になり、経済も発展したけんど、
人にとって 結構大事な『胸いっぱいになること』が
置き去りにされがじゃなかろうか、、、。
『腹いっぱい』になることより
『胸いっぱい』になることを優先することがあっても えいろう、、。
結局のところ 人の営みは 昔も今も変らんような気がするがじゃけんど、、。
話はもどって、
この祭は 一條公さんを偲んだ 唄になっちょる。
『いちじょこさん』と言えば 一條神社。
今年、建立百五十年ということで、宮司のキミさんが張り切っちょる。
キミさん・・「記念誌作るけん 写真撮りに来てや!」
あたし・・・「よっしゃ! まかしちょってや!」
と、早速 神社へ。
キミさん・・「実はねぇ 神社庁での 位が上がってねぇ、、、
衣装も高かったけんど 新調したがよ」
あたし・・・「な、何、そりゃ おめでと。ざんじ その衣装 着いたや!」
キミサん・・「けんど 一人じゃ 着れんがよ」
と 言いつつ あたふたと 着替えだした。
上半身は それなりの格好に なったけん 撮ることに、、、。
● □ にも衣装 と言うけんど、
さすが、それなりに お公家さんふうに なっちょる。
写真にゃ 写っちょらんけんど 衣装の袴と、
冠りもんのズレには こらえてくだされ、、、。
キミさん・・「・・・・・・」
wasuke
「こじゃんと ようなったぞ!」
と、クロちゃんから電話がかかってきた。
あたし・・「何が ようなったがぞ~」
クロちゃん・・「何がいうたち アレよ」
あたし・・「アレいうたち解らんじゃいか! 何ぞ!」
クロちゃん・・「まぁ へんしも 見に来て くれや!」
ということで、早速 安並の市営球場へ行ってみた。
クロちゃん・・「これよ! どうぞ!」
先日、四国アイランドリーグの
ファイティングドッグス対香川オリーブガイナーズの
公式戦があったのだが、そのグランドの芝の状態がすこぶる悪く、
すべて クロちゃんにかかってたらしい。
まぁ、芝に関したら 誰っちゃに 負けんクロちゃん。
あたし・・「さ、さすがじゃねや。えいじゃいか」
クロちゃん・・「たった3ケ月しか なかったけん たいちゃ苦労した。
シバらく 休みたいけんど・・・」
えらい 弱っちょるけん、
「飯でも食おう」ということになった。
あたし・・「けんど 暑いねや!」
クロちゃん・・「暑いか? オラ 解らんけんど・・」
あたし・・「暑いちゃ! われも 汗かいちょるじゃいか」
クロちゃん・・「汗は出らあよ! 夏じゃもん・・・」
あたし・・「ん?・・・」
てな調子で いつもの事ながら 涼しい顔で応えてくれる。
ま、話にならんけんど、
クロちゃんに会うと 暑いことも 忘れてしまう。
夏本番!
子どもたちは 大自然の中で夢中になって、
まるで動物のように はしゃぎまわる。
日々の生活環境すべて 管理されちょる子ども社会。
ファミコンゲームのバーチャルじゃなく、
自然の中で なりふりかまわず 遊びまわる、、、
そこで覚えることって 結構大事なことじゃろう。
四万十の子どもたちは ざまに たくましく生きちょる。
子どもに限らず、
大人だって 負けちょりゃ せん!
wasuke
♪男と女の 間には 深くて暗い 川がある~
誰も 渡れぬ川なれど~♪
この曲は 長谷川きよしの『黒の舟唄』。
そう思いよったが、実は1969年、あの野坂昭如が唄ってた。
あたしが二十歳のころ 聞いた長谷川きよしの この曲。
みょうに 透きとおった声で、
ギターを掻きむしりながら 唄う姿が印象に残っちょる。
暗闇に 一筋の 月光が差しこんでいるような、、、
地獄じゃろうか 極楽じゃろうか、、、
あの頃の時代 ぼれた あたしにとって、心地よい 唄じゃった。
40年経った今でも、この曲と同じような 位置づけで、
当時のマンガで 永島慎二の『フーテン』がある。
一ヵ月 2~3万円ば~の 収入より、
この『フーテン』のマンガ本のほうが 重かったような気がする。
~人間、幾年過ぎても
忘れちゃ なんねえ 大事なモンがあるがぜ~
と、教えてくれた 教科書みたいなもの。
男と女の間の川って そんなに 誰もが渡れんろうか、、、。
当時の刹那的な時代背景があったにせよ、
みょうに 愛嬌があって 今でも気にいってる。
『男と女』といえば、
「ダ~バダ ダバダバダ~♪」のスキャットで有名なフランス映画。
たいちゃ昔、
「へぇ~ これが大人の 恋愛なんだ、、、」
と、訳も解らず モノトーンの画面に 見入ったもんだ。
ちなみに、四万十川源流 栗焼酎『ダバダ火振り』の「ダバダ」は
この映画の「ダバダバダ~♪」とは関係ないような気がするのだが、、、。
今度 無手無冠(むてむか・大正町の蔵元)の社長さんに会ったら
聞いてみることにする。
この栗焼酎は こじゃんと評判が良くて、
現在 めったには 手に入らんらしい。
結構なことです。
話はもどって、
男と女の深くて 暗い川には 全然 につかわんけんど、
ここの四万十川も ゆったりと、のんびりと 流れてる。
雨が降ったら 雨と遊び、
風が吹いたら 風と遊ぶ。
人も自然も 何の違和感もなく 一緒になって戯れる のどかな風景。
夏本番、今年も 賑わう四万十川。
俗にいう 名所・名跡の観光地と
ちょっと違うところが 重宝がられる。
皆さん 勝手に行ったさきが 名所になり、
座ったところが 公園になる。
人工的に造った施設は 何もない、
そんな観光地があっても えいろう。
へんしも 来たや!
wasuke
一度は行ってみたいと思いよった。
四万十町にオープンした『海洋堂ホビー館 四万十』。
「もっとも不便な 四国・高知県、山の中のミュージアム」
というコンセプト。
四万十町の国道から 山道をトロトロ 約20分。
山奥の小学校跡を改装して できちょる。
それは もう「見事!」としか 言いようがない。
ようするに プラモデルというか おもちゃ。
(今はフィギアというらしい)
館内にゃ まっこと ゴジラなどの恐竜から美少女まで、
ぎょうさん 展示されちょる。
特に この美少女は ン千万円もの 価値があるとか、、、。
あたしには 解らんけど、オタク業界の方々にゃ たまらんらしい。
遠くは 広島、泉ナンバーの車も、、、。
ホビー館から 次は 7月7日にオープンした『カッパ館』へ。
おっとろっしゃ!
田んぼのあぜ道で 荷車引きよる カッパさんが迎えてくれた。
なぜか 水道の蛇口から カツオが、、、。
ありゃ! 橋の上からは 何か 釣れてるらしい。
あたし・・・「何 釣りよるがぜ、、、」と 恐る 恐る たんねてみると、
カッパ爺・・「お~、覗いて見たら わから~よ」
ちゃんと うなぎが 釣れちょる。
こんな調子の、 ま、なんとも お洒落なミュージアム。
館内にゃ ありとあらゆる『カッパ』が所狭しと 並んじょる。
裏山にも カッパだらけ。
カッパ爺・・「昔は 人間さまにゃ 見つからんように
夜しか 動けず お~じょ したもんよ、、、」
子どもカッパ・・「爺さま、人間さまが あてらの大好物の キューリを
銭 払って 食べよる!」
この キューリ、 こじゃんと 美味しくて、
あたしも カッパの気分になったような、
そんな 四万十川 山奥の一日でした。
wasuke