四万十市名鹿の小高い山中で農場を営む一圓信明さん。ひいおじいさんがこの場所で農業を始め、おじいさん、お父さんと続き、四代目になる。姉二人の長男末っ子で生まれた信明さんも小さな頃から農業を継ぐ事を意識していたが、幡多農業高校を卒業し、広島で林業を行う会社に就職した。
その頃は、「木を切ったり、木を切ったり、木を切ったり(笑)」する毎日だったそうだ。そして、21歳で帰郷。農業を手伝いながらも、夜は飲み屋さんでバイト。毎日遊ぶのが楽しくて楽しくてしょうがなかった。 そして、そんな23歳の時、バイト先に飲みに来た5歳年上のケイさんに一目惚れ。それから、毎日、「結婚しょう、結婚しょう!」と言い続け、4カ月後に結婚。それを機に本格的に農業に専念しようと決意した。
循環型農業
いちえん農場では、ポンカン栽培と土佐ジローの養鶏をメインに、レモン、椎茸、米、炭、蜂蜜などを作ってる。周りの海、山の自然の力を極力利用し、一切農薬を使用せずに循環型農業を営んでいる。
土佐ジローは150日以上飼育してから出荷している。(一般的なブロイラーは生後40日で出荷される。)その間、ポンカン畑で放し飼いされて飛び回った(本当に結構飛びます)土佐ジローの肉は歯応え抜群。特にメスは初めての人は少し固いと感じるかも知れないが、一圓さん曰く「メスの方が美味い!」との事だ。
人間の9割は情熱でできている
最近では、小学生を招いて体験学習をしたり、講演を行ったりしている。そこで、感じるのが食育の大切さ。四万十には世界で通じる食材や環境があるが、それを地元の人が感じていない。本当は、小学生より、親や先生に食育をして、地元の素晴らしさを感じて欲しいと思っている。
また、農業が盛り上がる為には、観光が盛り上がらないといけないと思い、自らの農場で民泊をしたいと計画を練っている。「人が人を呼ぶ。やったら、やったばあのことはある!バファリンの半分は優しさ、人間の9割は情熱で出来ている!」と熱く語る一圓さんが情熱の塊だ。
少年野球のコーチもやっていて子ども達には色々教えてきたが、『あいさつ』『はげませ』『あきらめるな』など、教えられた事の方が多い。「自分が出来ていないのに、人に言えるのか?」と自問自答の連続だ。
未来の子どもたちの為に
一圓さんが求めるのは、子ども達に残せる環境作り。「子ども達が大きくなって子育てが出来る環境を作りたい。」去年から有機農業に切り替え、さらに環境への思いは高まっている。そんな地元と子ども達を愛する一圓さんです。
一 圓 信 明 さん
昭和50年10月5日生・3児の父
うさぎ年生まれの寂しがり屋 (^^;ゞ
高知県四万十市名鹿465-81
TEL&FAX 0880-36-2567